この台風は超大型ではなかったものの、暴風域が非常に広く沖縄から北海道まで日本のほぼ全域が暴風域に入った。
しかも風が強くなりやすい進行方向右側に入った地域が多く、全国的に暴風、強風の影響が大きな台風だった。
さらに、北緯39度でも最大風速45m/sで最も高緯度で非常に強い勢力だった台風でもある。
台風の強さは最大風速だけで決まるので、この台風のように大型で非常に強い勢力で直撃しても総降水量は大したことが無い場合もある。
逆に勢力が弱くてもノロノロと進む場合には記録的な降水量となる場合もある。
リンゴ台風は降水量が相対的に少なく暴風は激しかったため近畿~中国地方の瀬戸内海沿岸を中心に大規模な塩害が発生した。
通常、暴風による塩害は海岸から数km以内で起きるがこの台風では50km程度内陸でも発生した場所がある。
海水温が高いほうが台風は強くなるイメージだがそうとも限らず、リンゴ台風が上陸するころの海面水温は大して高くなかった。
この程度の海面水温でも非常に強い勢力で上陸してくる台風がある。
台風が近づいてくると上陸地点ばかりがクローズアップされ、上陸すればテレビでは速報が流れ注目度は非常に高い。
しかし、特に型崩れが始まってるような台風だと直撃された場所は思ったほどの暴風とならないケースもある。
リンゴ台風の時も中心域が直撃した佐世保では台風の最大風速は50m/sもあったのにもかかわらず、実測では最大風速17.6m/sで中心が遠く離れて通った千葉の20.4m/sより小さな値だった。